小学校に入学したばかりの頃、毎朝がとても長く感じていました。
登校時間になると、周りの子たちは当たり前のように一人で校門をくぐり、靴箱で靴を履き替え、そのまま教室へ向かっていきます。その姿を見るたびに、なんだか奇跡のように思えていたんですよね。うちの子には、まだまだ遠い景色でした。
「この行き渋りと、ずっと戦っていくのだろうか」「でも戦わなければ、学校に行けない」。そんな気持ちで、毎朝ぐるぐると考えていた気がします。まるで暗闇の中にいるような感覚でした。
今日は、そんな息子との4年間の歩みをお話ししたいと思います。
息子の場合:新しい環境が苦手で、安心できる家が大好きな子
息子はASDの診断を受けていて、新しい環境に対する不安がとても強い子です。保育園の頃から、行き渋りがありました。安心できる家が大好きで、そこから一歩踏み出すことに、人一倍エネルギーを使うタイプなんだと思います。
小学校の入学式も、息子だけはわたしの膝の上で参加しました。少しでも安心できるように、式の前には会場となる体育館の下見もさせてもらいました。それでも、初めての場所、初めての空気感。緊張していたのを覚えています。
小1〜小4、少しずつ変わっていった登下校の姿
ここから、4年間の変化を振り返ってみます。
小1:行きも帰りも、付き添いが必要でした。学校に着いてから、靴箱を経て教室にたどりつくまでにも、いろいろなことがありました(これはまた別の機会に書こうと思います)。
小2:相変わらず行き帰りの付き添いは必要でしたが、バイバイをした後、あまりためらわずに自分の力で教室へ向かえるようになりました。
小3:行きは付き添い、帰りは途中まで迎えに行く形に。少しずつ、一人で帰る距離を伸ばしていって、小3の終わりには自分の力で家まで帰ってこれるようになりました。
小4:行きも付き添いなしで登校できるようになり、帰りも自分の力で帰ってこれるようになりました。
こうして並べてみると、たしかに一歩ずつなんですよね。
「奇跡」だと思った瞬間たち
小2のとき、バイバイした後、自分から教室へ向かう後ろ姿を見て、靴箱から門へ向かう間にこらえきれず泣いてしまいました。「奇跡のようだ」と、心からそう思いました。
小3で一人で帰宅した日は、待ちきれなくて娘を連れて少しだけ家の外に出てみたんです。お友達と3人で帰ってくる姿が見えたとき、また涙が止まりませんでした。これもまた、奇跡だと思いました。
そして小4。朝も一人で登校できるようになったとき、ふと小1の頃を思い出しました。とてつもない時間をかけて、靴箱から教室までの道のりを歩いていた、あの日の息子の姿を。
小1の頃、周りの多くの子が当たり前にしていた一人での登下校を、息子は今やっとできるようになりました。その姿を見て、心から誇らしく思うと同時に、ずっとフォローし続けて見守ってくれた先生たちへの感謝があふれてきます。今、改めて「奇跡が起きているんだな」と実感しています。
今、暗闇の中にいるかもしれないあなたへ
もしかすると今、まさにわたしが小1のときに感じていたような、毎朝が大変で大変で「いつまで続くんだろう」という暗闇の中にいる方がいるかもしれません。
その子には、その子なりのペースがあります。だから、大丈夫。
周りの子と比べると、つらくなってしまうこともあると思います。そんなときは、昨日の、先週の、先月の、去年の我が子と比べてみてください。もしかしたら、そこにはもう「奇跡」が起きていることに気づけるかもしれません。
一人じゃないですよ。そう、心から伝えたいです。

コメント